2025.03.26

解体から始まる循環型社会〜香川県の挑戦的取り組み

解体から始まる循環型社会〜香川県の挑戦的取り組み

# 解体から始まる循環型社会〜香川県の挑戦的取り組み

建物の寿命が終わり、新たな建設のために姿を消していく建築物。解体という行為は、一見すると何かの終わりのように感じられますが、香川県では、この「終わり」を「始まり」に変える革新的な取り組みが広がっています。

## 香川県における解体業の現状

瀬戸内海に面した香川県は、限られた土地の中で効率的な土地利用が求められる地域です。高度経済成長期に建てられた多くの建築物が更新時期を迎え、県内では年間約1,000件以上の建物解体が行われています。

従来、解体は単に古い建物を壊して処分するだけの作業と見なされがちでした。しかし近年、環境意識の高まりとともに、解体工事から生じる廃材の再利用や適切な処理が重要視されるようになりました。

## 資源循環への挑戦

香川県高松市に本社を置く「讃岐解体リサイクル株式会社」は、県内でいち早く循環型解体に取り組んだ企業の一つです。同社の取締役である中村氏は次のように語ります。

「解体現場から出る廃材は、分別して処理することで約80%以上が再利用可能です。コンクリートガラは路盤材に、木材はバイオマス燃料に、金属は製鋼原料として新たな命を吹き込むことができます」

特に注目すべきは、同社が導入した「選別解体」という手法です。建物を一気に壊すのではなく、素材ごとに丁寧に分解していくことで、リサイクル率を飛躍的に向上させています。

## 行政との連携による新たな仕組み

香川県は2019年に「香川県循環型社会形成推進計画」を策定し、解体業界との連携を強化しました。同計画では、建設廃棄物の再資源化率を95%以上にするという高い目標を掲げています。

県庁担当者は「建設リサイクル法の遵守だけでなく、香川県独自の支援制度を設けることで、解体業者の取り組みを後押ししています」と説明します。

具体的には、環境配慮型の解体工事を行う業者に対する補助金制度や、優良事業者の認定制度などが整備されました。これにより、コスト面での課題を抱えていた中小の解体業者も、循環型の解体に取り組みやすい環境が整いつつあります。

## 技術革新がもたらす可能性

さらに、香川県では最新技術を活用した解体リサイクルも進んでいます。坂出市の産業団地内に設置された「香川リサイクルセンター」では、AIを活用した廃材の自動選別システムが導入されました。

このシステムは、コンベア上を流れる廃材をAIが画像認識で識別し、ロボットアームが素材ごとに分別するというものです。人間の目では判別しにくい複合素材なども高精度で選別できることから、リサイクル率の向上に大きく貢献しています。

「従来は人手に頼っていた選別作業が自動化されることで、処理能力が3倍になりました。また作業環境の安全性も向上しています」と同センター責任者は胸を張ります。

## 地域経済への波及効果

循環型の解体事業は、環境面だけでなく経済面でも地域に大きな恩恵をもたらしています。

まず、分別された資源の売却益が生まれることで、解体コストの一部を相殺できるようになりました。これは施主にとっても魅力的な提案となり、環境配慮型の解体を選ぶインセンティブになっています。

次に、リサイクル資材を使用した地産地消の流れが生まれつつあります。例えば、丸亀市では解体コンクリートを再生砕石として市内の道路工事に活用するプロジェクトが始まりました。これにより新規採石による環境負荷の低減と、地域内での経済循環が実現しています。

## 教育・啓発活動の広がり

香川県内の解体業者団体は、次世代育成にも力を入れています。小中学校での環境教育プログラムの実施や、高校生・大学生向けの現場見学会の開催を通じて、循環型社会の重要性を若い世代に伝えています。

観音寺市の中学校では、地元の解体業者を講師に招き、実際の建材を使ったワークショップが行われました。生徒たちは解体された木材を使って小物入れを製作し、リユースの可能性を体感しました。

「子どもたちが目を輝かせながら廃材に新しい価値を見出す姿を見ると、この活動の意義を実感します」と講師を務めた業者は語ります。

## 今後の課題と展望

香川県の循環型解体事業は着実に進展していますが、課題も少なくありません。

解体業は労働集約型の産業であり、人手不足が深刻化しています。また、繊細な分別作業には専門知識と経験が必要であり、人材育成が急務となっています。

香川県解体工事業協会では、若手技術者向けの研修プログラムを充実させ、環境に配慮した解体技術の普及に努めています。同協会の取り組みは全国的にも注目され、他県からの視察も増えています。

さらに、将来的な展望として注目されているのが「アーバンマイニング(都市鉱山)」の考え方です。建物の中には貴重な金属資源が多く含まれており、これらを効率的に回収することで新たな資源確保の道が開けます。

香川大学工学部と県内解体業者の共同研究では、古い電気設備から希少金属を回収する技術開発が進められています。この取り組みが実用化されれば、香川県の解体業はさらに高付加価値な産業へと発展する可能性を秘めています。

## まとめ

香川県における「解体から始まる循環型社会」への取り組みは、単なる環境対策の枠を超え、地域経済の活性化や教育、技術革新など多方面に波及する総合的な社会変革となっています。

終わりのように見える解体工事から、新たな循環の始まりを生み出す香川県の挑戦は、限られた資源

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